ジョブ型に☆ワープ

ジョブ型雇用の時代に対応した働き方がテーマ

ジョブ型採用の人事制度

一般に、日本企業はジョブローテーションや転勤を通して、ゼネラリストを育成しており、
一方で、外資企業は採用時から各自の専門性を重視しているといわれています。

この違いは、社内における役職や階級のシステムに差をもたらしていて
あなたの目指す将来像によっては問題となる場合があります。

近年、ジョブ型採用が日本でも言われるようになってきているので、興味のある方も多いと思います。

それでは順に見ていきましょう。

 

目次

 

 

ゼネラリスト型人事システム(多くの日本企業)

以下の図は、多くの日本企業のキャリアプランの一例です。

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メンバーシップ型


図のように、新卒入社後、いろいろな部門を数年ごとに経験し、
その過程で徐々に給料も上がり、役職もついていくパターンです。
会社によって、図のように社員のランクを別に管理しているパターンと、役職名が給料を表しているパターンがあります。

このシステムのメリットは、社内のシステムが一通りわかり、社内に知り合いも増えるにしたがって仕事も進めやすくなるでしょう。
会社としても社内の一体感を高めるのに有効と考えているものと思われます。

デメリットは、数年で業務内容が変化していくので、専門性は身に付きにくいです。
しかも、次の業務内容や勤務地を選べるわけではないと思われるので、数年は我慢の時が続くかもしれません。

メリットとデメリットありますが、社内に知り合いも多くそれなりに会社にも愛着も出来ていて、終身雇用が前提の状況では
デメリットにあるような我慢の時でも我慢する方が多いのではと思います。

 

マネジメントラダーとスペシャリストラダー(多くの外資企業)

ラダーとはハシゴのことで、キャリアプランをハシゴを登っていくようなものと見立てて、そういう呼び方をしています。
以下の図は、多くの外資企業のキャリアプランの一例です。

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図のように、採用時(新卒かもしれない)から細かく各自の専門に応じて配属される部署が決まっています。(ジョブ型採用)

そこから、マネジメントの道に進むのか、スペシャリストとしての道に進むのか選択することになります。
このマネジメントの道をマネジメントラダー、スペシャリストの道をスペシャリストラダーと呼びます。

図にところどころで、マネジメントラダーとスペシャリストラダーを移動している矢印がありますが、
この移動は本人の希望であったり、時には所属グループのマネージャが辞めるなどしたときに、
誰かがマネージャにならざるを得ない場合もあります。

しかし、どちらの道に進んでも、多くはもともとの専門領域に関係する業務を担当することになります。

このシステムのメリットは、個人の専門性を深く追求できることです。
企業にとっては、ある程度専門性を持った人を最初から採用しているので、成果を予測しやすいです。

デメリットは、雇われる側から見ると、そもそもどういうことを学んできたか?何ができるのか?ということが
企業のニーズと合ってないと採用されないですし、間違って採用されても苦しむことになるでしょう。
最悪クビになったり大幅給料ダウンとなります。

長く勤めていても、社内の仕組みがどうなっているか、あまりわからないケースもあると思います。

企業側のデメリットとしては、各自の仕事の領域が決まりすぎていて、非効率な部分が発生することでしょう。


2つを比較

ここで、それぞれ見比べてみると、明らかな違いが他にもあります。

ゼネラリスト型は役職の上がり方が1通りなのに対して、マネジメントラダーとスペシャリストラダーをもつ企業は
役職の上がり方が複数通りあることがわかります。

ゼネラリスト型の問題点は、この1通りの昇進システムにあると思われ、
まったく専門外の部門をマネジメントしないといけない管理職を、大量に生み出す原因になっています。
さらに、あなたが専門性を高めたいと思っていた場合でも、昇進しようとすると、管理職にならなければならないという問題があります。

マネジメントラダーとスペシャリストラダーの両方を持っている企業の場合、これらの問題は起きないと思われます。


まとめ

今回は、ゼネラリスト型人事システムと、マネジメントラダーとスペシャリストラダーの比較を行いました。
どちらも、あなたが将来どうなっていたいのか?が、あなたにとっての良し悪しを決めることになるでしょう。
後で悔やむことの無いよう、一度あなたの会社の人事システムを確認してみてはいかがでしょうか。