転職や就職の時に見るべき決算書とは?(番外編)
前回の話のなぜ大赤字になるのか?では、一般的な企業が突然大赤字になる2パターンを説明しました。
この2パターンのほかに、3パターン目があるのですが、
このブログの読者のような方がターゲットにしている会社では、そう起こるケースではないので、あえて書いていませんでした。
しかし、話のネタとしては面白いので書いてみます。
なぜ大赤字になるのか?
パターン3
パターン2では、買収した事業が不振で、「のれん」を減損しないといけなくなり、大赤字になるケースでした。
「のれん」は、ブランド力や技術力を見て、会社の帳簿上の価値より高く買ったので、その差額が資産として計上されます。
しかし、会社の帳簿上の価値より安く買えた場合どうなるでしょうか?
買収した年度の特別利益となり、資産と純資産が増えるのです。
これを「負ののれん」と呼びます。
全額を借金して「負ののれん」が発生する買収を行った例を示します。
これを繰り返せば、驚異的な成長企業に見せることも可能です。
某スポーツジムの会社が最近これを行っていたと思います。
ですが、安く買えるのには理由があるはずです。
たとえば、本業が赤字というのは理由になります。
そうすると、買収した年度は「負ののれん」が本業の赤字よりも大きければ黒字になります。
来年は本業の赤字だけになるので、黒字にするために、似たような買収を繰り返す必要が出てくるのです。
しかし、こんな買収は続かないので、買収が止まった後に、買収した事業の赤字がまとまって見えてくるため、経営が危機に陥ります。
図はそのイメージです。
もう少し書きたいのですが、ブログの趣旨からも外れてきているので、この話題はこの辺にしておきます。とはいえ、転職・就職の際に気にしておくに越したことはないと思います。
読んでいただき、ありがとうございました。